中小企業の「DXの進め方」を、会計を起点にDXを支援する税理士が解説 | 戸部会計事務所

日本の全企業のうち中小企業の割合は99.7%(※1)、日本の雇用数の約7割を占めていると言われています。こうした中小企業からのDXのニーズは高まっているものの「DXの進め方が分からない」という声が大きいことも事実で、DXに「既に取り組んでいる」中小企業は18.5%(※2)に留まっています。

中小企業の「DXの進め方」を「会計を起点にDXを支援」している、戸部会計事務所の所長 / 税理士の 戸部信宏にお話しを聞きました。


戸部信宏 経歴


2009年、物流会社入社。2012年、台東区の会計事務所入所。2018年、税理士合格。2015年、戸部会計事務所入所。2022年、所長に就任、現在に至る。


※1「令和3年経済センサス-活動調査」(総務省・経済産業省)

※2「中小企業のDX推進に関する調査 2024年」(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)


目次

  1. クラウド会計ソフトの導入が、DXの起点になる

    1. 中小企業のDX化は「会計が起点になる」

    2. 中小企業のDX化は「信頼性の高い決算書」につながる

    3. 中小企業こそ、会計のDX化により「経営判断のスピードが上がる」

    4. 中小企業のDX化支援と共に「経営計画」策定のサービスも提供

  2. 税理士の使命を全うし、時代の先端を走り続ける

    1. 中小企業のDX化も支援する会計事務所

    2. 実務家の集う体制

クラウド会計ソフトの導入が、DXの起点になる

中小企業のDX化は「会計が起点になる」


中小企業がクラウド会計ソフトを導入すると、DXを進めることができます。

経済的な取引は数値として会計に集約されますので、会計・振込・仕訳など、全てのオペレーションがデジタルでつながり、会計のDX化を起点として全社の生産性向上につなげることができるためです。

業務が全体最適されて生産性が高まるようにするためには、クラウド会計ソフトを活用して、1つのシステムに集約して設計した方が良いと考えています。これにより、会計に証憑を紐付け_仕訳に紐づいて、1クリックで確認できるようになります。


私自身も色々な会計ソフト・システムを使ったことがありますが、中小企業に限らず大企業でもよくあることは、「バラバラのシステムを使っていると部分最適になり、生産性が落ちてしまう」ということです。最初の全体設計がとても大事になります。

中小企業のDX化は「信頼性の高い決算書」につながる


会計事務所として会計を起点としたサービスを提供していますが、サービスのベースとして、基本的に毎月訪問することを業務のベースとしています。中小企業にとって「帳簿を締める」ということは簡単そうに見えて、実は大変なことなのです。


会計DXというとシステムに頼るようなイメージもあるかと思いますが、「システムだけに頼る」ということではなく、専門家としてのアドバイスを提供する機会を月に一度いただくことで、しっかりと運用が回るように支援しています。


実は「専門家のアドバイスは、経理上は必要ない」と思われていても、「実際は必要だった」というケースも多々、見受けられます。


例えば、売上を請求書の金額だけで記帳し、その確認の際も請求書しか見ていない状況で、レジ処理・請求書の作成漏れが起きると、帳簿の売上額が実際よりも少なくなってしまうことがあります。

こうしたズレは、日常業務の忙しさの中で起こる人為的なミスや、システムの設定・運用の不備などによって生じるものです。特に悪意があるわけではなく、誰にでも起こりえる「抜け落ち」が原因となるケースが多く見られます。

また、その他にイメージしやすいケースでは、訪問すると「新しい車(社用車)が増えていますが、帳簿には反映されていない」ということもあります。

こうした必要なことが決算で漏れると、粉飾・脱税につながってしまうこともあります。


そこでしっかりと、中小企業の方々と定期的にお話しをして、実際に現場を見ながら、社長の感覚と帳簿が合っているかを見る必要があります。


税務署に提出した決算書と金融機関に提出している決算書が違うといったことも起こりえます。事前にお客様の同意を得た上でではありますが、私の事務所では税務署に電子申告をすると同時に金融機関に同じ決算書が届く仕組みにしております。毎月訪問することにより「信頼性の高い決算書」の実現にもつながります。

「決算書の信頼性」に関しては、税理士法33条の2に規定する書面添付も大事になりますので、こだわって中小企業へのサービスを提供しています。


なお、取引が多様化する現代においては前例のない経済取引が多く発生します。それらの経済取引を会計や税務上の収益・費用として、いつのタイミングで、いくらの金額を認識させるか、といったことが多く発生します。

ここは、まさに専門家の領域であると考えています。


このように会計を起点にDX化を進めていただき、毎月訪問をすることで中小企業がオペレーションにおいてもDXによる業務運用が回るように支援をしております。

中小企業こそ、会計のDX化により「経営判断のスピードが上がる」


クラウド会計ソフトを導入して会計をDX化し、毎月帳簿が締まるようになると「経営判断をスピード感を持って行える」「必要な際に融資を受けやすい」など経営上のメリットが数多くあります。

逆に、帳簿が締まっていないと、試算表は中途半端な状態になります。その試算表からでは甘い利益予測しかできず、過去の経験と勘に頼った甘い経営判断となってしまうことが多いです。


毎月訪問することで、ちょっとしたお話でも聞けることが大事です。

「給与をどうするか」「採用したらいいか」など、社長の中で「答えは決まっているものの、お金が心配」なことを伺うケースは多いです。例えば、「お店を出したいなー」など言っていただければ、そこでアドバイスができます。


「新しい施策を進めたいけど、どうかなー」と悩まれていることでも、何で迷っているかを伺いながら質問して、答えを一緒に見つけにいく、というところも含めて支援をしています。

これは「財務諸表の数字を見ているからこそ」ここまで踏み込んで支援ができる、ということでもあります。


このように、中小企業こそ、会計を起点にDX化できると、経営判断のスピードが上がる、という全社的な波及効果が大きくなるものです。

中小企業のDX化支援と共に「経営計画」策定のサービスも提供


戸部会計事務所では、日々の経営判断のスピードアップにつながる支援と共に、経営計画作りも対話をしながら支援をしています。

実は、中小企業では経営計画を作っているところは多くはないのです。


綿密な数値の計画を作るよりも「どうやって売上や利益率をあげるか」を考えることが大事だと考えています。

例えば「売上10%・利益率1%アップしてはどうですか?」と聞くと、そこからの回答で、経営計画につながるディスカッションになっていくことも多いです。


戸部会計事務所では、現状、8割以上の顧客企業に対して、経営計画策定のサービスを提供できており、早期での100%提供を目指しています


こうした経営計画に関する支援も会計をDX化しているからこそ、中小企業に対して提供できているサービスである、と言えます。

税理士の使命を全うし、時代の先端を走り続ける

中小企業のDX化も支援する会計事務所


会計事務所として「税理士の使命を全うし、時代の先端を走り続ける会計事務所となること」というビジョンを掲げています。


「税理士法」という法律があり、この第一条に「税理士の使命」が定義されています。これが業務としての本質になりますが、同時に、時代の変化に対しては、最先端のサービスを実現していきたいと考えています。


※税理士法第1条(税理士の使命)

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする 


経理業務の生産性の低さが国としての課題でしたので、ここを解決していくために、受発注のシステムとしてデジタルインボイスの仕組みが開発されました。

そして、先ほどの通り、企業がクラウド会計ソフトを導入する、ということは業務のオペレーションそのものをデジタルをベースに置き換えて生産性を向上していく、ということにつながります。

このため、こうした先端の領域も含めてサービスを提供しています。


実は税理士業界は歴史が長いこともあり、今も紙・電話・FAXの利用が多く見られるところもあります。戸部会計事務所は父が1979年に設立しましたが、私の入所後、3年程度をかけ、過去に遡って必要な書類は全てスキャンしてデータ化し、デジタルに対応できる環境を整えました


なお、実務レベルでは1社ごとに色々なケースがありますが、戸部会計事務所の基本方針の1つに「黒字決算を支援」することがあります。

昭和・平成で黒字決算の企業が多く、所得税より法人税の高かった時代は「赤字決算にして、役員報酬を多くするようなケース」が全体的に多かったと聞いており、今もそのイメージを持っている方もいます。


日本の法人の約64.7%が赤字(※3)です。そのため、​​過度な節税は会社の体力を弱くする時代になっています。戸部会計事務所では中期を含む経営計画に基づいて、収益の柱を強くしていくことが最も良い節税対策である、という考え方を持っています。

※3「国税庁統計法人税表 2023年度」(2025年4月発表)より


支援先の顧客企業として多い業種は、医療機関、建設業、不動産です。今増やしたいところとしては飲食業です。

また、中小企業に限らず、大企業にもサービスを提供しており、上場企業のアメリカ子会社の会計業務や、上場企業担当者に税制改正に関する説明を行う形での支援など、大企業とのお取引も増えています。日本企業の海外展開先だけではなく、フランスなどのEU法人を中心に日本への進出支援体制も整備しています。


顧客企業のエリアは関東中心で、東京・埼玉・千葉・群馬・栃木・神奈川・北海道です。


事業承継やM&A、法律、リスクマネジメント、不動産、金融など含めて各士業・企業とも連携して、経営課題の解決に務めています。

実務家の集う体制

サービスの提供体制として、実務力と信頼を大事にしています。


事務所設立より40年以上経ちますが、40歳の私を中心に、先端のサービスを提供できる体制を整えており、平均年齢は32.7歳です。


私以外の年齢は、43歳1人、39歳1人、28歳3人、23歳1人です。


チーム制で実務力を担保しながらも、責任と裁量のある役割分担をしており、経験とスキルを高めることのできる環境を作っています。


現在、第二新卒で業界未経験の方を募集しています。

会社員で、業務システムや商流などを効率していくかを考え、提案してきた方は大歓迎です。入所後は研修を経た上で、担当を持っていただきます。


働きながら「税理士資格」を目指せるように、フレックスタイム制・オンライン研修の活用など柔軟で学びやすい環境を整備しており、税理士試験前には「試験休暇(有給とは別枠)」を設け、学習との両立を支援しています。また、科目合格手当(上限あり)や、巡回監査日の直行直帰も可能です。